ギフテッドに最適なフリースクールを選ぶために
子どもの学びのあり方がますます多様化する中で、ギフテッド児や、ギフテッドでありながら発達障害などを併せ持つ2e(Twice Exceptional)児にとって、従来の画一的な学校教育では対応しきれない場面が増えています。
そうした子どもたちにとって、自分のペースで個性を発揮しながら学べる「フリースクール」や「オルタナティブスクール」は、可能性を広げる有力な選択肢で、積極的な選択肢としてのフリースクールの記事を書かせていただきました。
とはいえ、フリースクールの数は年々増えており、その教育内容や理念も千差万別。
どのような視点で学校を選べばいいのか、迷われる保護者の方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、日本ではまだギフテッドに特化したフリー・スクールは珍しく、2eギフテッド児も知的障害を伴う発達障害児と同様に「発達障害」として扱われている場合が多いようです。
ギフテッドという概念が近年まで紹介されていなかった日本では、情報量も少なく、指導方法もまだ確立されていません。
今年、ようやく正式に日本ギフテッド・2E学会が設立されたところなのです。(第一回の学会で近藤が発表させて頂く事になりました。)
まずは保護者の方がギフテッドを正しく理解し、フリースクールの先生方と情報を共有しながら、ギフテッドを育てていく事が大切ではないかと思います
既にギフテッドに特化した学校は非常に稀である、という事を見据えながら、ギフテッド児・2e児のためのフリースクール選びのチェックリストを、6つの視点からご紹介します。
ぜひ、学校見学や説明会の際の参考にしてください。
1. ギフテッドへの理解度
まず最も重要なのは、その学校がギフテッドにどの程度理解があるか、どのような教育理念を掲げているかです。
ギフテッドや2eの子どもは、一般的な学習スタイルに合わないことも多く、単に「発達障害」として括くられてしまう場合が多々あります。
「発達障害」にとらわれず、個性を尊重し、才能を伸ばし、ギフテッドとして開花させていくようなギフテッド教育への理解や柔軟な教育観があるかどうかは重要です。
特に2eの子どもに対しては、物理的な学習環境の整備も大切ですし、感覚過敏や注意力の偏りといった発達特性に理解があるかどうかがポイントです。

2. カリキュラム・学び方の柔軟性
ギフテッド児は「年齢=学年」という枠組みに合わないことが多くあります。
たとえば小学校低学年でも中学生レベルの算数や言語に興味を持つ一方、社会性の面では年齢相応だったりします。
多くのフリースクールはこうした非一律な成長を受け入れ、個別に最適化されたカリキュラムを用意しているとは思いますが、確認が必要です。
さらに、知的好奇心をくすぐり、得意分野を伸ばしながら参加するプロジェクト型学習や、対話を重視した深い思考を促す授業、自由研究や創作活動などの探究的な時間が組み込まれているかも確認しましょう。
学びの喜びを感じられる環境こそ、ギフテッド児の可能性を広げます。
ただ、フリースクールの中には、あまりにも自由度が高すぎて、単にベビーシッター的な運営が行われているところもあります。
ギフテッドのお子さんは高いEQ (Emotional Quality:心のIQ)を兼ね揃えているので、正しく導いていけば、「自らの知的興味を満たすために、感情や誘惑をコントロールし、与えられた課題ばかりでなく、自ら設定した課題に対して集中して取り組む事ができます。」
お子さんのEQを正しく把握し、「伸ばす教育」が積極的に行われているか、確認しましょう。
3. 教員・スタッフの専門性&明るさ
どんなに良い理念が掲げられていても、それを日々の教育実践で支える教員にギフテッドや2eの理解がなければ、子どもは孤立してしまう可能性があります。
ギフテッド・2eへの理解
発達特性のある子どもへの接し方を理解しているスタッフがいるか、特別支援教育や心理的ケアの専門家と連携があるかどうかは重要です。
また、保護者との定期的な情報共有や、悩みを相談できる窓口があるかどうかも確認しておきましょう。
教員への研修
さらに、教員へのギフテッド、2e、発達障害などの研修や学びの機会が提供されているでしょうか。
実際のお子さんと接する教員やスタッフが専門的な知識があるかは、とても重要です。
明るいオーラ
また、日々接する教員やスタッフとの相性はとても大切です。
ひとことで言えば、校内が「明るい人たち」の笑顔で満たされている、そんな学校であれば子どもたちも馴染みやすく、伸び伸びと学習できるでしょう。

4. 国際性・多文化への対応
2eギフテッドだからこそ英語を学ぶ にも書きましたが、2eギフテッドに国際教育は不可欠です。
日本のフリースクール、オルタナティブ・スクールでは珍しいかもしれませんが、英語教育は行われているか、海外の文化や価値観に触れる機会があるかは大切なポイントです。
フリースクールの利点を生かして、海外の学校の学期にあわせた留学プログラムなどがあれば最高です。
もしも学校に国際教育の基盤がない場合でも、個人のペースで英語を学ぶことができる柔軟性があるかを確認すると良いでしょう。
海外で確立された教育モデルを参考にしている学校は、柔軟性のあるカリキュラムで子ども中心の学びを重視している傾向があります。
海外とのオンライン交流や、グローバルな発表の機会なども、子どもたちの視野を広げる大切な要素となります。
5. ギフテッド対応の学習環境
ギフテッドや2eの子どもたちは、感覚過敏や不安感を抱えやすいこともありますので物理的な学習環境は重要なポイントです。
教室の音や光、空間設計に工夫があるか、必要に応じて静かな個室やクールダウンスペースが用意されているかを見ておくと良いでしょう。

6. 実績と信頼性
最後に、これまで実際にギフテッド児や2e児が在籍していた実績があるか、その子たちがどのように成長したか、進路はどうだったかなどの情報を集めておきましょう。
可能であれば在籍保護者や卒業生とつながり、体験談を聞くこともおすすめです。学校案内やウェブサイトだけでは分からないリアルな視点が得られるでしょう。

おわりに
ギフテッドや2eの子どもたちは、環境次第でその才能を大きく開花させる可能性を秘めています。しかし同時に、理解されにくい苦しさや孤立感を抱えることも少なくありません。
だからこそ、子どもの特性や価値観に寄り添った教育環境を見つけることが、人生を豊かにする大きな一歩になります。今回ご紹介したチェックリストをもとに、ぜひご家庭に合った最適な学びの場を見つけてください。
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