何とショッキングなステートメントでしょう!
今日はアメリカのギフテッド教育協会(National Association for Gifted Children)前会長のBarbara Clark さんの「子どもは生まれつきギフテッドではない」 “No child is just born gifted: Creating and developing unlimited potential” をご紹介します。
子どもの可能性を観察することは、常にわくわくする体験です。
私たちが以前思っていた子どもの限界は、実は子どもの能力の限界ではなく、私たちの信念の限界だったことが多いのです。
研究が進むほど、子どもは想像以上に多様な可能性を秘めていることが明らかになっています。
以下はFordham Instituteの記事の抜粋です。
ギフテッドは「生まれつき」ではなく「生まれ持つ可能性」
「ギフテッド」とは、生まれつき決まった能力ではなく、生まれつきの可能性が育まれて初めて開花するものです。
1970年代以降の研究が一貫して示しているのは、才能や高い知性の発達は、遺伝的素質と豊かな環境との相互作用によって生まれるということです。
つまり、どの子どもも驚くべき可能性を秘めていますが、それが実際の才能として開花するかどうかは、子どもにふさわしい環境と刺激があるかどうかによって大きく変わります。
たとえば心理学、神経科学、言語学、早期学習の研究は、適切な環境を整えることで、子どもがその潜在能力を最大限に伸ばすことができることを示しています。
このプロセスこそが、才能を「つくる(create)」ということなのです。
ギフテッドの概念は変わりつつある
かつての「高い知能=分析的・合理的思考」という狭い定義から、現代では知能や才能は脳の機能全体の相互作用として考えられています。
感覚・感情・認知・直観が絡み合い、生涯を通じて複雑に発達するプロセスとして理解されるようになってきました。
これは、単に学術成績だけでなく、問題解決・創造的行動・リーダーシップ・芸術・発明など、多様な形で表現されうるものです。
科学的にも、知能や高度な能力は遺伝的要素と環境要素の持続的な相互作用の結果であり、どちらか一方だけで決まるものではないとされています。

環境が才能の「育ち方」を左右する
乳児の脳は、約1000〜2000億の神経細胞を備えています。
しかし、脳のポテンシャルをどのように使うかは、子どもが置かれる環境との関わり方に大きく影響されます。
同じ遺伝的素質を持つ二人の子どもでも、関わる環境によっては、知的障害のような状態に見えるケースさえ起こりうると記事は指摘しています。
脳の発達は固定されたものではなく、刺激の有無によって神経構造が変化するダイナミックなプロセスとして理解されています。
また、適切な挑戦や経験がなければ、潜在能力は発揮されず、学習意欲や能力は停滞してしまうという研究結果もあります。
ギフテッド児に多く見られる行動の特徴
記事では代表的な特徴として以下のような様子が挙げられています:
- 強い好奇心を示す
- 高度な質問を頻繁にする
- 学習や思考のスピードが速い
- 複雑な考えを組み合わせる力がある
- 直観やひらめきを用いる
- 関心のある分野で強い継続力を発揮する
- 初期の言語や数概念に早く関心をもつ
- 感情面では他者への敏感さや、理想主義・公平感情が強いことがある
- 身体的発達と知的発達がずれることもある(非同期性)
こうした特徴は単なる偏りやおとなしい性格ではなく、脳の高度な機能が働いていることの表れとして理解されます。

子どもの成長を支える環境とは
最も重要なのは、子どもの発達段階に合った豊かで反応的な環境を用意することです。
家庭や学校は、子どもの興味に応え、ほんの少しだけ先の挑戦を提供することで、学びを加速させる役割を果たすことができます。
親ができることとしては、たとえば:
☆ 日常の会話に新しいアイデアや情報を取り入れる
☆ 興味のあるテーマを一緒に調べる
☆ 家庭でのディスカッションを大切にする
☆ 自由な選択肢や判断の機会を与える
☆ 失敗や不完全さも受け入れる態度を見せる
☆ 感情や問題を安心して話せる場をつくる
といったサポートが挙げられています。こうした配慮は、ギフテッドのポテンシャルを最大限に発展させる土壌となります。

おわりに
この記事の核心は一つです:
「ギフテッドは生まれつき持っているものではなく、育つもの」
遺伝的な素質は確かに存在しますが、それを開花させるには適切な環境と経験が不可欠です。
子どもの潜在力を引き出すためには、学校や家庭がその土壌として機能することが大切だと、著者 は伝えています。
このギフテッド・ワールドでは様々な角度から、ギフテッドを開花させるメソッドの情報を皆様にお届けしたいと思います。












