ギフテッドの発達シリーズ③
多様性の中にある才能の姿
ギフテッド、あるいはギフテッドの可能性をもつ子どもたちが小学校(幼稚園年長〜初等教育)に進む頃には、その姿は非常に多様になります。
この多様性は、生まれ持った才能(遺伝的要因)と、幼少期にどのような環境で育まれ、どれだけの刺激や支援(ナーチャリング/エンリッチメント)を受けてきたかによって生じます。
一般的に、幼児期にギフテッドの兆候が見られた子どもは、学齢期に入る段階で、より詳しいスクリーニングや評価が勧められます。
これは、才能の一側面だけでなく、他の認知的・社会情緒的な特徴を総合的に理解するためです。
一方で、ギフテッド児の能力は、必ずしも外から分かりやすい形で表れるとは限りません。
非常に創造的な才能をもっていても、学校で期待される「できる子」の姿と一致しないことがありますし、逆に、学習障害や発達上の困難が、ギフテッド性によって覆い隠されている(2E:二重に特別な子ども)場合もあります。
そのため、学齢期のギフテッド理解には、一面的な成績や行動だけで判断しない視点が不可欠です。

学齢期(小学生:6歳ー12歳)ギフテッド児の特徴
| 領域 | 特徴・説明 |
| □ 身体的領域 | *エネルギーレベルが非常に高い。 *頭の中で素早く処理できる書字や鉛筆の操作に困難を示すことがある。 *手と目の協応運動が発達している場合がある。 *自分が選んだ活動には長時間集中できる。 |
| 領域 | 特徴・説明 |
| □ 認知領域 | *非常に優れた記憶力をもつ。 *きわめて強い好奇心を示す。 *他の人には思いつかない解決策を見出す。 *幅広い知識をもつ。 *高度な語彙・文法・文構造を使う。 *因果関係に強い関心をもつ。 *難しいパズルを好む。 *能力や知識に大きな凹凸があることがある。 *簡単な課題を嫌い、複雑な課題で力を発揮する。 *数の概念で遊ぶことを好む。 *物語よりも事実に基づく本を好む。 *物を集めることがある。 *非常に高い集中力をもつ。 *想像力が豊かで空想にふけることが多い。 *興味のあることには強く動機づけられ、他には消極的。 *学んだことを新しい状況に応用できる。 *多様な可能性を次々と見出す。 *興味分野では独学することがある。 *頭の中で素早く処理できる。 |
| 領域 | 特徴・説明 |
| □ 社会・情緒領域 | *年齢以上に洗練されたユーモア感覚をもつ。 *情緒が非常に敏感で強い。 *結果を考えずに思ったことを口にする。 *年上の子や大人を好むことがある。 *一人で取り組むことを好む。 *想像上の友だちをもつことがある。 *傲慢・不器用に見られることがある。 *行儀が良いとは限らない。 *好かれるとは限らない。 |
精神・道徳的領域
| 領域 | 特徴・説明 |
| 精神的側面 | *神や超越的存在についての明確なイメージをもつことがある。 *神概念への自然な敬意を示す。 *制度化された礼拝や信仰に関心を示す。 *聖典や宗教的テキストを読むことに興味をもつ。 *精神的なテーマについて話し合うことを楽しむ。 |
| 道徳的側面 | *鋭い道徳的感受性をもつ。 *倫理的な議論を好む。 *正義・公平性への理解が高い。 *道徳的発達が非同期的であることがある。 *行動の中に明確な道徳的価値観が表れる。 *高度な道徳的判断力を示す。 *自分の信念に基づいて行動できる。 *早期から善悪の感覚をもつ。 *深い道徳的思考と感情をもつ。 *強い道徳的人格を示す。 |
Frances A. Karnes Center for Gifted Studies(2017)および Clark(2013)
ギフテッドの子どもたちは、批判や仲間からの拒絶に非常に敏感であったり、完璧主義的であったり、他者に厳しく、よく話す傾向を示すこともあります。
それらは「問題行動」ではなく、強い感受性と高い内的基準の表れであることが少なくありません。
学齢期のギフテッド理解において最も重要なのは、「能力」だけでなく、「その子がどのように世界を感じ、考え、意味づけているのか」を丁寧に見る視点です。












