ギフテッドの子ども達は知識を素早く吸収し、深い理解力や独自の視点を持つことが多い一方で、感受性が強く、周囲と違うことから孤立感を抱くこともあります。
一方、発達障害には自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などが含まれ、認知や行動、対人関係に特性が見られます。
2e(twice-exceptional:二重に特別な子ども)とは、ギフテッドであると同時に、発達障害などの困難も併せ持つ子どもを指します。
彼らは一方の特性によってもう一方が見過ごされたり、誤解されたりすることが多く、適切な支援が受けられないことがあります。
例えば、学力は高いのに注意が散漫で授業に集中できず「怠けている」と誤解されたり、逆に困難ばかりが注目されて才能が認識されなかったりします。
2eの子どもには、才能を伸ばすと同時に困難を理解し支援する特別な「両面アプローチ」が重要です。
発達障害を持つ子どもの中で、ギフテッドとされる子どもは、**約5〜15%** 程度と推定されています。
たとえば、アメリカの一部の研究では、ADHDや学習障害を持つ子どもの中に、ギフテッドの可能性がある子が**10人に1人程度(約10%)**含まれていると報告されています。
ただし、これはあくまで目安であり、国や研究によってばらつきがあります。
つまり、発達障害と診断されている子どもたちの中には、実は隠れた才能を持っている「見過ごされたギフテッド」が一定数存在することになります。
そのため、両方の視点からの多角的な評価と支援が重要とされています。

**データソース
2eの割合を示す研究データ
米国のOffice for Civil Rights (OCR)
全米の公立学校において、「ギフテッド+障害(特別支援)」の生徒は全ギフテッド児童の**約2.8%**という報告がある
研究による推計(Jolly & Barnard‑Brak, 2024)
ギフテッド児童全体のうち、特別支援対象の2e児童は**2~5%**とされている。
理論的シミュレーション(Cheek et al., 2023)
条件を緩くすると、2eの発生確率は**0.148(14.8%)**にのぼる
中国語版Wikipedia(台湾などの研究)
発達障害を持つ集団のうち、2eは**3~5%**を占めるとされている